あふれる、想い

―ayuka―


別れ話じゃなくて安心した…

でも…笑いながら切なそうな顔を
蓮がしたのを見逃さなかった

何で…?


「……まだ決まってないんだけどな」


重たい口を蓮が開いたから
少し…かなり…不安になる


心が痛いよ


「親父がアメリカに転勤になった
留学をする話が出てる」


頭を鈍器で殴られたような気がした



「…行くの?」


「・・・・・・・」


わかってる

蓮はお父さんを尊敬してて
お父さんみたいになりたい

そう聞かされた事があるもん


きっと行きたいんだ


でも…悩んでる



行っていいよ?

そう言えればいいけど言えないよ


だって…離れられない


蓮がいなきゃ…息も出来ない


依存してる

わかってるけど…どうしたらいいの


心が悲鳴をあげそうだよ



長い間、沈黙してた蓮が口を開いた


「正直迷ってる
だけど…愛結花と
離れられないって気持ちもある」


今度は私が…答えられない

だって…どう言えばいいの?


「…行くなら…いつ行くの?」


「…8月の頭には行くと思う」


8月?!

後1ヶ月?!


「…いつまで?」


「わからないけど…たぶん長期だと思う」


……何も…言えなくなった

2人が黙ったまま、時間だけが流れる

チャイムが鳴って教室に戻る


でも、2人の間の空気は重いまま