「嘘じゃない、本当の話だ。


だから俺も多少卑怯な手を使ってでも月奈の弱味を握りたいんだ。もちろん、月奈の写真は撮った後すぐに消せばいい。


俺は月奈を本気で傷つけるつもりなんてないんだから」


俺が時間をかけてじっくりと説得するうちに、良は計画に乗ることを賛成していた。


「それが月奈のためなら、月奈の考えを正すためならしょうがないよね」


良は自分自身に言い訳をするようにそう呟いていた。


そして、放課後……。


俺は月奈の下駄箱に手紙を入れていた。


この前の恐喝の件を謝るから教室に来てほしいと書いておいた。


用心深い月奈に当てた手紙だ。


俺も細心の注意を払って丁寧な文章に仕上げた。


それを読んだ月奈はとまどいながらも放課後の教室に入ってきた。


そして俺と良を交互に見て、入口付近で立ち止まったんだ。


「話ってなに? 謝る気なんてないんでしょう?」


最初にそう言われ、俺は少し驚いて目を見開いた。