椅子に座らず、少し離れた場所から俺を見ている良。


そして、荒い呼吸を繰り返し机に突っ伏している嵐。


誰も何も言わず、ただ俺の粗食音だけが響いている。


ただ無心になって食べ物ではないそれを食べていると、いつの間にか皿の中はほとんど空になっていた。


最後の一口を口の中に入れる。


その瞬間、口の端から血が流れて顎に伝っていった。


「……食べたぞ……」


最後のガラス片を飲み込み、俺は言う。


百合がハッとして目を開けた。


「早く、早く吐いて!」


春姫に言われ、俺は席を立つ。


言われなくても、食べている際中から嘔吐感を我慢していた。


俺はシンクに顔を突っ込み、ついさきほど食べたものをすべて吐き出した。


胃液と血に混ざってザラザラとした粒がシンクに散らばる。


涙と鼻水が同時に流れてきて、俺の視界はぼやけていく。