「嘘……」
さっきまで私と岡本君がいた窓際のところに学生服をきた男子生徒が笑顔で立っている。
そこから動く様子はないみたいだけどその人は写真で見た柴田さんそのもので私は思わず固まった。
夢じゃないよね……!?
思わず一歩近づいて行くとちょうど岡本君に廊下から大きい声で呼ばれて顔を廊下側に向けてしまう。
ハッとしてすぐに窓際に視線を戻した時にはもう人の姿はなかった。
もしかして柴田さんが二年生の時はこのクラスだったのかな?
なんて想像しながら今度こそ私はスイッチをオフにして教室の明かりを消していく。
それから教室を出る前に教室の中を向いて感謝の気持ちをこめてぺこりと頭を一回下げた。
今こうしていられるのはきっと柴田さんと岡本君のおかげだと思うから。
それに誰にも言ってないけど、柴田さんは葉山先生のことを止めたい気持ちもあったんじゃないかなって思ってる。
地下室の壁に貼られていたたくさんの写真の中に、葉山先生に似た人と柴田さんが一緒に写っていた物があったから……。
「忘れ物でもあった?」
「ううん。遅くなってごめんね!」
ドアを静かに閉めると岡本君が戻ってきてくれて優しいなと思う。
「今度こそ帰ろう」
「うん」
ゆっくり歩き出した岡本君の後ろ姿を見てから私も今度は遅れないように追いかけた。
今年の夏休みはどんな風になるだろうか。目前にある長い休みのことを考えながら────。

