いつか聞いてみたいと思っていたけどこんなに早くチャンスがくるなんて。
きっかけはいいものじゃないけど話せるいい機会だと思う。
「それじゃあ帰るか」
私と奈々ちゃんを見た岡本君がリュックを背負って言う。
頷いて私達も鞄を持った。
***
三人で奈々ちゃんの家の近くまで行って、奈々ちゃんとバイバイした私と岡本君は折り返す形で通った道を歩いていく。
奈々ちゃんと別れていつもは一人で歩く道を今日は二人で。
始めは変な感じがしたけれど岡本君は聞き上手で私の話は止まらない。
「それでね、一番新しい話は――」
私の話が面白かったのか途中で岡本君が可笑しそうに吹き出した。
「岡本君?」
「ごめん、本当にそういう話が好きなんだと思って」
「え……?」
「うちの学校で折笠さんって結構有名だから。オカルト大好き人間って」
うっ、オカルト系が好きな自覚はあるけど学校の中で色々な人に知られてるとは思ってなかった……。
言葉につまる私に岡本君は大きな声を出して笑った。
開いた口から見える八重歯につい目がいくと笑いがおさまった岡本君が自分の口元を指差した。

