一通り話し終わると頼成さんの表情が柔らかくなったように見えて体の力が少し抜けていく。
「緊張させちゃったみたいね」
「いえ、大丈夫です……!」
申しわけなさそうにする頼成さんに私はブンブンと顔を横に振ってみせる。
すると頼成さんは今度は安心したようにフッと笑った。
「元気そうで安心したわ。──ところで話は事件のことに戻るのだけど、壊れたラジカセからノイズが聞こえたのと近くで誰かの声が聞こえたって本当なのね?」
「はい。少なくても近くで聞こえた声は岡本君も聞いているはずです」
「そうなの……。でもその二つは立証が難しそうね」
「そうですよね……」
写真とかビデオに残っているならまた違うかもしれない。
だけど今回は私と岡本君、それに葉山先生しか聞いてないから謎のままになりそうだ。
「これで事情聴取は終わりにするわ」と話す頼成さんに頷きながら、私は卒業アルバムに笑顔で写っていた柴田さんの姿を思い浮かべた。
──この後、事情聴取が終わった私と岡本君はそれぞれ家族が迎えに来るのを待った。
私はお父さんとお母さんの両方が来て、顔を見るなりお母さんが抱きついてきて苦しくなった。
だけどギュウギュウ抱きしめられながら「無事でよかった」と震えた声で言われて遅れて涙が浮かんでくる。
近くにいる岡本君に笑われたくなくて、私は涙が止まるまでお母さんをギュッと抱きしめ返していた。

