「置いてくわけないだろ!」
顔を動かすとそこには眉を寄せて苦しそうな顔をした岡本君。
岡本君は眉を寄せたまま私の体をグッと引っ張ってくれる。
その両手はいつの間にか自由になっていて不思議なことの連続に今度は私がポカンとしてしまう。
「この……っ、離せ……!」
岡本君が引っ張る、先生が引っ張る。
先生が引っ張る、岡本君が引っ張る。
痛みをなんとか耐えているけどだんだんと部屋の方へと引きずられていることに気づいて、私は近い距離にいる岡本君を見上げた。
「岡本君……!」
「諦めるな! 俺の秘密知りたいんだろ!?」
必死な表情と真剣な声で私を助けようとしてくれる岡本君に胸がグッと苦しくなる。
「ありがとう……っ」
小声で呟いた次の瞬間、階段を上った先にある扉が勢いよく開かれた。
「──そこまでだ!」
バタバタと聞こえる複数の足音。
階段を駆け下りてくる先頭の人は見知った顔で岡本君が名前を呟いた。
「松嶋さんだ」と。
──それから状況は私達にとっていいほうに一変した。
拳銃を構えながら近づいてきた松嶋さんは先生が何も持っていないことに気づくと拳銃を素早くしまう。
その後階段の途中から下まで一気に飛び下りて先生の体を拘束。

