「死ね!! 死ねぇー!!」
先生は狂ったようにラジカセを叩きつけたり踏みつけたりを繰り返す。
──それでもノイズのような音は聞こえたままでラジカセから聞こえる音に先生の狂気じみた声、それから岡本君がドアを開けようとする音を聞いていた私の近くにふと風を感じて私は岡本君がいるほうとは反対のほうを見た。
「?」
だけど当然何もなくて岡本君のほうに顔を戻したその瞬間、近くで囁くような低めの優しい声がした。
「え……っ?」
また反対を見てもやっぱり誰もいない。
だけど確かに聞こえたんだ。「二人で扉に体当たりして」って。
「岡本君……っ」
もう賭けみたいだけどやるしかない。
そう思って岡本君のほうを改めてみるとそこには目を丸くしてポカンとした様子の彼がいた。
「……今何か言った?」
「ううん。……岡本君にも聞こえた?」
私が小声で聞くとコクリと頷く岡本君。
その表情は信じられないと言っているようだけど今は声の正体を確かめている時間はない。
「やってみよう!」
急いでドアから少し距離をとると岡本君も同じくらいの距離をとって私のほうを見る。
「いくよ」
チャンスはきっと一度きり。
開きますように!
心の中で祈りながら、「せーの……!」で息を揃えて私達はドアに力いっぱい体当たりをした。

