何だろう……。

誰かの声……?

ぼんやりとした中に大きな声が聞こえてきて私はハッと目が覚めた。

「……?」

「折笠さん……っ! 折笠さん……っ」

目を開けると薄明るい天井のような物が見えて、それを遮るように人の顔が見えた。

「岡本君……?」

「目が覚めてよかった……」

ほっと息を吐いた岡本君が動く気配がして、私は背中を何かで支えられるようにして上半身を起こす。

支えてくれたのは岡本君の腕だった。

けれど両手首をロープらしきもので一つに束ねられていて私は葉山先生のことを思い出す。

そうだ……。私と岡本君は葉山先生に殺されそうになったんだ!

私は慌てて立ち上がろうとしたけれど上手くバランスがとれずに岡本君に支えられてしまう。

「ごめん……!」

「いや、大丈夫。……だけど俺達ヤバいぞ」

「これ」と岡本君はひとまとめにされている両手を見せてくる。

私の両手は後ろにまわされた状態で束ねられていて動きにくい。

座った状態でまわりを見てみるとそこは知らない部屋。

明かりがついているけど弱い光りだから部屋の中は薄明るい感じで窓もない。

「どこなんだろう……?」

「分からない。俺も目が覚めた時からこの部屋だったし鍵がしまってて開かないから……」