忍び寄るモノ


お母さんが何者かに襲われた日から左利きの犯人の事件が近くで起こることはなく、学校の中は前のような賑やかさが戻ってきていた。

お母さんの傷もすっかり治って元通り。

だけどラジカセとカセットテープはなくなったまま、犯人が見つかることもないまま。

お母さんが持っていたエコバックに付着していた物を調べてもなかなか手がかりはないようで。

ネットの掲示板などでもただの通り魔事件だったんじゃないかと書かれることが多くなった。

SNSのアカウントに送られてくるメッセージも事件に関係するものはだんだん少なくなって、反対に前のようにオカルト関係の情報が集まるようになっていて。

七月も中旬を過ぎてみんなの話題は近づいてくる夏休みについての話が多くなっている。

「みんな夏休みのことで頭がいっぱいって感じだね」

「うん。ひまわりちゃんはこのまま事件が終わると思う?」

休み時間の教室の中、隣の席に座っているひまわりちゃんに話しを返すとひまわりちゃんは腕を組んでうーんと唸るような声を出す。

机の上に置いていた手帳をパラパラと開いて少しした後にパンッと勢いよく閉めた。

「ワタシの勘だけど終わってないと思う」