「あなたのお母さんが襲われたのは買い物帰りだったそうよ。襲われた際に荷物が入ったエコバックを振り回して相手にあたったらしいから何か証拠がついていないか調べさせてもらっているわ」
「そうですか……」
襲われてとっさにそんなことができるなんてお母さんってすごいんだな……。
妙に感心してしまう私を見た頼成さんはそこでふと表情を和らげた。
「犯人は今までと同じで左利きだったけどお母さんの証言で進展があるの。身長は同じくらいか少し高いくらい。──つまり背の高い岡本君は容疑の対象から完全に外れるわ」
「本当ですか!?」
「ええ。お母さんが小柄だから他のほとんどの生徒も外れることになるし、背が低い生徒も違う場所にいたと証拠がとれれば同じね」
「よかった……!」
これでクラスのみんなの仲も前みたいにきっと戻れる。
そのことだけでも嬉しい。
「だけど油断はしないでいてほしいの。犯人がどこに潜んでいるか分からない以上危険なことには変わらないから」
「分かりました」
「それじゃあわたしからの話はこれでおしまい。何かあったら警察署に電話してわたしの名前を伝えて。繋いでもらえるよう話を通しておくから」
「ありがとうございます」
「お礼なんていらないわ」と目を細めて笑ってくれた頼成さん。
年の離れたお姉さんがいたらこんな感じなのかなと思いながら私も笑い返した。

