「えっ、大丈夫!? 簡単な物なら私が作るよ!」
利き手の腕が痛いなら料理だって大変だと思って慌ててお母さんに話しかける。
だけどお母さんは「大丈夫。静は頼成さんとお話をしてほしいからお願いね」とにっこり笑ったまま、今度こそ台所へ入って行った。
「話をしたいんだけどすぐにいいかな?」
「あっ、はいどうぞ」
私は頼成さんにソファーをすすめて自分はテーブルの近くに座る。
頼成さんは職員室前で会った時とは違う真剣そうな顔で口を開いていく。
「松嶋さんから話を聞いて私達はあなた達を送った後に学校に戻って資料室に行ったんだけど……。ラジカセとカセットテープはどこにも見あたらなかったわ」
「え……!?」
「奥の部屋の一番奥の棚はもちろん他も探したんだけど見つからなくて。──昼休みには確かにあったのよね?」
「はい。それは間違いありません!」
「誰かが隠したのかもしれない。──それなら犯人は学校関係者の線が強いわね」
「そんな……」
学校関係者の誰かが荒木先輩と安田君を殺してお母さんも襲ったの……?
信じたくない。
だけどそう思っても背中がヒヤリとして怖いという気持ちはあって。

