一気に話し終わると松嶋さんは渋い顔をして唸り声をあげる。
「それは妙だな」
「え……?」
松嶋さんはポツリと言うと口元に片手を近づけて考えこむような様子を見せた。
横に座っていた岡本君を見ると岡本君も不思議そうな顔をして私の方を見る。
「ラジカセと一緒に置いてあってその場ですぐ聞けたのなら他の誰かが聞いていると思うんだが……」
「! それもそうですね……!」
モヤモヤしてた物の正体はこれだったんだ。
二十四年前のカセットテープが聞けたとしてもラジカセの電池が使えたのは誰かが最近ラジカセを使っていたから。
「誰が使ったんだろうな……」
岡本君が眉を寄せて呟くように言う。
普段生徒は手前の資料室しか入らないと思うし、奥の部屋のさらに一番奥の棚にあるカセットテープを聞きに行くのも考えにくい。
わざわざテープを聞きに行くとしたら誰がいる?
「柴田さんの家族の人とかが残っている声を聞きにきたとか……?」
私が声にすると松嶋さんが「それはないだろう」と否定の言葉を返してきた。
「彼のご両親は事件後に家を手離して遠方に引っ越している。俺は当時の事件も担当していたから情報は確かなはずだ」
「そうですか……」
「──まさか刑事さんも柴田さんの幽霊のせいなんて言いませんよね……?」

