「高橋先生。どこか教室を借りてもよろしいですか?」
「はい。進路指導室なら静かですし他の生徒が来ることも普段ありませんからお貸しできますが……」
「それではそちらをお借りします。二人同時に話を聞かせてもらうことにするから一緒に来てくれ」
「はい」
「はい……」
男性は私と岡本君を順番に見た後に高橋先生の案内に従ってついて行く。
岡本君を見る視線がやっぱり厳しいように見えて岡本君は緊張したような声で返事をしてた。
一階の廊下を四人で歩いていく。
他の生徒の姿がなくて歩きながら正直ホッとする。
警察の人と一緒に歩いていたなんて知られたらどんな話が広まるか分からない。
私だけならオカルト好きが理由で話を聞かれたって言えばすむかもしれない。
だけど岡本君は今までそんな話を聞かないし岡本君の上げた左手を見た警察の人の様子が気になるから。
たどり着いた進路指導室の部屋のプレートを見上げ、静かに話が終われればいいなと思う。
「こちらが進路指導室です。奥にもう一つ進路指導室用の部屋がありますからそちらを使ってください」
「ご心配でしたら中から鍵をかけられます。終わりましたら職員室までお知らせ願います」と高橋先生は告げて来た道を戻っていく。
「それじゃあ話をしようか」
進路指導室の扉を勢いよく開けて男性がそう言う。
私と岡本君はお互いの顔を見て、声に促されるように恐る恐る中に足を踏み入れた。

