忍び寄るモノ


一階へ向かう階段を下りて生徒玄関を目指して歩く三人。

玄関の前に通る職員室の前に校内では見慣れない制服を着た警察官の人が二人いて高橋先生と話をしているみたい。

近づいていくと私達に気づいた高橋先生が戸惑ったように「岡本君と折笠さんに警察の方がお話があるそうです」と言う。

「え……?」

「俺達に……ですか?」

「君達が何かを調べていると聞いてね。すまないがこの後話を聞かせてもらえないだろうか」

「あの、一緒に帰る友達がいるんですけど……」

お父さんくらいの年の警察の人に言われて私は困る。

私が横で立ち止まった奈々ちゃんのことを言うともう一人の警察官──女性警察官──の人がにこっと笑って「大丈夫」と返事をくれる。

「お友達は私がちゃんと家まで送ってくるから安心して? さあ行きましょう」

女性が奈々ちゃんに近づいて優しそうな声で言う。

困ったような顔で私のほうを見てくる奈々ちゃんに大丈夫と言うように笑って「また明日ね」と声をかけた。

「うん……。静ちゃん、岡本くんまた明日」

「ああ、また明日」

岡本君も口元に笑みを浮かべてひらりと左手を上げる。

それを見た男性の視線が鋭くなったような気がして私は一気に緊張していく。

岡本君もそれに気づいたみたいであっと声を出して左手を素早く下ろした。