たどり着いた柴田さんの名前を言う声を聞いて私と岡本君は顔を見合わせた。
柴田さんの自己紹介をする声を聞きながら私は信じたい気持ちと信じたくない気持ちが混ざって頭の中がぐるぐるしてきた。
スピーカーから聞こえる柴田さんの声は安田君の声とよく似ていると思う。
「嘘だろ……」
目を見開いて左手を口元にあてて呟くように言う岡本君の様子に気がついて、そう言えば岡本君が左利きで何て話したらいいか困ってたことを思い出した。
資料室に行けることが嬉しくて忘れてたよ。
だけど岡本君の様子からとても事件に関わっているとは思えない。
眉を寄せて泣きそうな顔をする岡本君が雨の日に見た時と似ていて私も悲しくなってくる。
とりあえず荒木先輩と安田君の柴田さんとの共通点は見つかった。
だけど本当に柴田さんが原因なのかは謎のまま。
もっと調べてみたいけど予鈴が鳴ってしまって慌ててテープを巻き戻してラジカセと一緒にもとの場所に片づける。
「……岡本君、時間だから行こう?」
「──ああ……」
まだ口元に手をあてて固まっていた岡本君の制服の袖をクイッと引っ張って資料室を出ようと伝えてみる。
岡本君はぼんやりとした様子だったけどとりあえず後ろを着いてきてくれたからよかった。
アルバムとかがあった部屋の電気を消して鍵を閉めて、資料室も同じようにする。
資料室は一度鍵がかかっているか確認をしてから私は岡本君の手をつかんで職員室に向けて歩き出した。

