「奥に部屋なんてあったんだな」

「私も初めて知ったよ。こっちの鍵で開くのかな……?」

入り口のドアに使った鍵より小さい鍵を鍵穴に入れて回してみる。

するとカチャンと音がして扉が開いた。

電気をつけて入り口近くから見ていくと見たい物があって私は思わず声をだしてしまう。

「見つかった?」

「うん! あとは二十四年前の物を探さなきゃ。岡本君にも二十四年前の卒業生の写真とか資料探しをお願いしていいかな?」

お母さんの年を考えて事件があったのは二十四年前。

二十四年前の卒業生の資料を探していけば柴田良介さんのことが何か分かるはず……!

岡本君は少し考えるような間があったけど「分かった」と言って近くの資料から手に取り始めてくれた。

「ありがとう! 私は反対側から探してくるから」

私は急ぎ足で部屋の奥、反対側になる方から順番にファイルやアルバムらしき物の年代を調べていく。

背表紙とか表紙とか年代が書かれている場所がバラバラで時間がかかるなとちょっと気が焦ってくる。

その中で「あった……!」と岡本君の大きな声が聞こえてきて私は岡本君のほうに走って向かった。

「折笠さんあった! 二十四年前の卒業生のアルバムだ!」

「中を見てみよう!」