忍び寄るモノ


「……どうしたんだ? 巧のやつ」

「さあ? あいつも怖いんじゃないのか」

「オレだって怖ぇーよ」

「だよな……」

男子の話し声を耳に入れながら私は岡本君の様子が変なことが気になる。

荒木先輩が事件にあった後に比べて今日の岡本君は様子が変。

安田君と仲がよかったのかな?

一時間目が始まる前に戻ってきたけれど、具合が悪そうに見える岡本君の姿が何だか気になりながら私は机の中から数学の教科書とノートを取り出して机の上に置いた。


***


お昼休み、奈々ちゃんとお弁当を教室で食べ終えた私は一人で教室と同じ二階にあるトイレへと向かう。

一人目の事件から人通りが減った廊下を歩いて女子トイレの個室に入る。

間もなく何人かが女子トイレに入ってきて話し声が聞こえてきた。

「同じ学校の生徒が二人も殺されたんじゃトイレも一人で行くの怖いよねー」

「行けるとしたらオカルト好きな折笠さんくらいじゃない?」

「折笠さんって隣りのクラスだよね?」

「そうそう! あの人ならこういう事件にも首つっこみそう」

……用を済ませて出ようと伸ばした手が思わず途中で止まる。

私ってそういう事件でも突っ込んでいくって思われてたんだね……。

今は同じ学校の生徒が襲われたから情報を集めているけど、さすがに普段は殺人事件とかの情報を集めてまわったりしないんだけどな。

驚いてかたまっているうちに彼女達の話は進んでいく。