……私の予想は当たっていたけど少し違った。
いつものように始まった授業は全部じゃないけど先生達も様子が違ってた。
国語の教科書の音読で文を読み飛ばしたり、今行われている四時間目の数学では計算間違いをしたり。
いつもの先生達と違う様子は私達にも伝わってざわざわと声が広がっていく。
先生が間違えることはまれにあるけれど同じ日に何人かの先生が間違えるなんて今までなくて、それがますますみんなに不安を感じさせているみたいだった。
「他のクラスもこんな感じらしいよ」
計算式を消してもう一度黒板に計算式を書き始める先生を見ていたら横から小声で話しかけられて私はそっちを向く。
片側の隣の席は新聞部で情報通の女の子、南雲ひまわり(なぐもひまわり)ちゃんが座っている。
ふわふわしたツインテールの髪と大きな目が印象的な女の子でオカルトっぽい情報があればもらっていたりする。
「先生も落ち着かないんだろうね」
先生の背中をチラチラ見ながら小声で返すとひまわりちゃんがコクンと頷いた。
──あ。
手に力を入れすぎたのか先生が持っていたチョークが折れて床に落ちる。
シーンと一気に静けさが教室に広がって先生は慌てた様子で折れたチョークを拾ってチョーク入れの中に置いた。
再開された問題を説明する先生の声はどこか上擦っているような気がしてぎこちなくて。
妙な空気の中で進められる授業はなかなか頭に入ってこないままだった。

