「だから時々俺の口あたりを見てるんだろ? 時々言われるんだよね、吸血鬼みたいだって」
「……それで本当のところは……?」
ドキドキしながら聞いてみる。
すると岡本君はニッと口端を上げて意地悪そうに笑うと歩くスピードをあげていく。
数歩離れた場所で彼が振り返った。
「折笠さんはどっちだと思う?」
「え……っ」
聞き返されるとは思わなかった私は思わず動かしていた足を止めて岡本君をじっと見る。
うーん。見た目は男子学生で特に変わったところは見当たらない。
気になるのは本当に八重歯だけだったのに岡本君の言葉で他にもあるのかなって思えてくる。
「俺が吸血鬼か、そうじゃないか。当ててみたら?」
「えぇっ!」
教えてくれないの!?
今までの人達は「そんなわけないから」って笑って否定してたのに。
あいまいにされるとますます気になる……!
これは調べなくちゃとやる気がわいてくる。
まずは連絡先の交換をと思っていたら岡本君がすたすたと歩き始めていた。
「岡本君っ」
「そんなに慌てなくても俺は逃げないよ。また明日な」
「あ……」
左手を上げてひらりと振る岡本君の言葉に私は家の前に着いていることに気づく。
岡本君は私の家を知ってたんだ……。
――って連絡先聞いてない!
横を向いていた顔を勢いよく前に戻したけど岡本君の姿は遠くなり始めていて今日は無理そうで残念。
私はしょんぼりとした気持ちで家の中に入った。

