私は....外に出れない。


普通のことを普通にできることが羨ましい。



私は───重い病気を持っている。



だから、みんなのように跳ねたり、走ったり、遊んだりすることができない。




「葉菜(はな)ちゃん。点滴、取り替えようね。」



──看護師の人が話しかけてきた



「…はい。」



──もっと、遊びたいのに。


─そう、強く思ったら、涙がでてきてしまった…



「あ....っ。」



「...大丈夫?葉菜ちゃんももう中学3年生だもんね。みんなと一緒に遊んだりしたいよね──」



「っ....はい。でも....できない....」



─悔しい。自分に悔しい....



「───....すぐに治る薬でもあったらいいのにね....」



──本当にそう、思う....




看護師さんは次の場所へ向かった。




....がさっ。

....ん?窓の方から....音が....

私は立ち上がる。


なんだろ…

近くへ寄ってみた。


─ガラッ



窓が開いた…


「えっ!ひ、ひとぉ!?」


「えっ!!わっ!」



ドシンッ!!



あたた…
ひ、ひとが2階の窓から…!?



「あっ、だ、大丈夫か!?け、けがとかない!?」



「へっ、あっ、別に…大丈夫ですけど。」

目の前に現れたのは私と同じくらいの年の男の子だった。



「ほんと?よかったぁ…」



…なんだ、この人…


「ほんとに、ごめんな!」



そう言うと歩いてこの病室の違うベッドへと向かった。



「─よぅ!雛!!あそびにきたぞ!」


─雛ちゃん?


…雛ちゃんはここの病室の私の3つ年下の女の子だ。



「わぁ!お兄ちゃん!いらっしゃい!」



雛ちゃん…笑ってる…



仲がいいんだなぁ…



私、一人っ子だから、わかんないや。