ものすごく豪華な屋敷の写真。
お花が咲いていて、可愛い。
色んな種類の花がそれぞれの顔を花開かせている。

「よかったね。玲月ちゃん。」

「…うん。」

嬉しかった。
どう反応したらいいのかなんて私には分からない。
でもとにかく胸の中ではずっと嬉しい気持ちが先走ってた。

「かわいそうな子だったら肉奴隷にされちゃうんだから…。」

院長が悲しそうな目をした。
“にくどれい”の意味がわからないけど、私は幸せ者なんだなって思う。

「…幸せに暮らしてね。」

院長は優しく手を握ってくれた。

「うん。」

私はなんとなく、院長がすごく悲しそうな目をしてたように見えた。
今にも泣き出しそうな感じ。

「ねえ、話終わった?」

パパが話しかける。
院長はパッと手を離す。

「はいはーい、終わったわよ。せっかちなパパね。」

「わっ。」

院長が私の背中を押す。

「また、遊びに来てね。」

「うん。」

私は笑ったのかな。
笑顔なんて今までで一度もしたことないから分かんないけど、院長も笑ってくれてた。

「じゃあ、行こう。」

パパが私の手を握る。
ほんのり暖かくて優しい気持ちになれる。

「分からないことはいっぱいあると思うけど、パパが付いてるから。」

「うん。」

私は生まれ変わるの