「なに…この子。」

「気持ち悪…。」

冷たい目。
刺さるような視線が私を蝕む。
口々に発せられる言葉がぐりぐりと心を抉っては掻き乱していく。

「銀色の髪に、灰色の目だって。」

「かわいそうに。」

私の髪と目は普通の人とは違う。
髪は銀色。
目は灰色。
これが外国人なら良かったのに、私はあいにく日本人。
本当、腹が立つ。
私の親は私を見て「悪魔の子」って言って騒ぎ立てた。
髪が銀色だと悪魔の子なの?
目が灰色だと悪魔の子なの?
私はまだ小さかったけど、傷付いた。
見た目のことなんて私がどうにかこうにか出来ることじゃない。
そして私は親に捨てられた。
ゴミを集めてる大きめのゴミ出し用のところに捨てられた。
まるで“お前はゴミだ”って感じじゃない?

「俺はお前のその髪とか好きだけどな。」

「え…?」

私は耳を疑った。
そんな、バカな。
誰もが嫌ったこの容姿が好き…?

「どうして?」

「は?普通に…可愛いだろ。」

彼は顔を赤らめて言った。

「初めて聞いた…そんなこと。」

「マジで?!」

彼はその翌日に引き取られていった。