金曜日の昼休み。明日が休みってだけでなんだか気分がいい。明日と明後日は、美咲ちゃんに会わずに済むから。

いつもと同じように美咲ちゃんと机を向かい合わせにして、お母さんの作ったお弁当を食べる。

美咲ちゃんは授業のノートを破りとって紙飛行機を折っていた。

『あいつの授業キライ。』なんて言いながら。








彼女の紙飛行機はクラスメイトの男の子の所に飛んでいった。


『うっわー。サイテー。とうめいにんげんじゃん。ちょっと希、取ってきて?』



これは、きっと、お願いではなく命令だ。
紙飛行機をおったのも投げたのも美咲ちゃんだったのに。
飛んでいった先が彼ではなく、例えばサッカー部の男の子のところだったら自分で取りに行っただろうに。


「もー、しょうがないなー」って言いながら席をたつ私も、私だけど。