鬼伐桃史譚 英桃


「オレ達は見ての通り、成人したばかりの子供だ。不安になるのもわかる。だけど少なくともあの連中と共に旅をするよりはずっと気が休まると思うんだ。こんな約束、出会ったばかりだし信じてはもらえないかもしれないが、オレは君を置いて逃げないと誓うよ」


「英桃、何を考えているんだよ!!」

 茜は、勝手に話を進める英桃に怒った。それもそうだろう。これから鬼と戦うのだ。いつ命を落とすかもしれないそんな時に、彼女を連れて行けばどうなるのか。

 他人は愚(おろ)か、自分の身を守らなければならないような戦場へ、見るからに戦の訓練も受けていない素人の彼女を連れて行くわけにはいかない。


 だが、英桃は二人の意見を聞かず、少女の握りしめた掌(てのひら)を開き、見つめていた。

 茜はそれを見、そして、南天は絶句する。