「――ああ。南天」

「うん?」

 英桃が彼の名を呼ぶと、南天はにっこり微笑む。


「茜」

「おうよっ!」

 英桃の呼び声に、茜はにっかりと白い歯を見せる。


「行こう、鬼討伐に」

 もう英桃に迷いはない。彼の目は真っ直ぐ前を見ていた。


「いざ、出陣だな!」


 三人はそう言うと、村の外へと歩み出す。