――さて、海印のところへ引きずられ、茜はこってりとしぼられた後、三人は小高い丘に座っていた。
そこは見晴らしがいい丘で、忍の里の隅々まで見渡せる。三人しか知らないとっておきの場所だった。
「なあ、英桃」
「英桃!!」
茜が口を開けば南天がすぐさま訂正させる。
「…………」
茜は、小姑(こじゅうと)のような南天をひと睨(にら)みしてから続けた。
「この村はさ、平和だよな。だけどさ……この村から一歩外に出たら違うんだろうな」
茜はうつむいた。英桃がそっと顔を覗けば、先ほどの悪戯な男の子の表情とは違い、年頃の男の子にしては悲壮感が漂っていた。
「茜……」
英桃は、いったいどうしたことかと茜を見つめる。
「聞いたか? 病弱な帝に代わって京の都を治めておられる蘇芳(すおう)様のこと。鬼が出たって話」
茜が口を開き――。



