蜘蛛の巣にかかった蝶のようで



「水谷……。こんなんでお前が俺を好きになるわけないんだけど……。」

顔を包んだ手が震えてる。

「お前のことが愛しくて愛しくてしょうがねぇんだ。好きで好きで傷つけたくなる……。」

嫌でも私の中に入ってくる築山君の感情。

「水谷……。……俺のものになって……?」

私を見つめる真剣な顔。

でも、私の答えはひとつだけ。

「……ごめんね、築山君の気持ちには答えられないよ。」

強くなる視線。

でも、ここでキッパリ言わないと……
いつまでも恐怖と戦うことになる。

頑張れ……私。

「私は幸也が好きです。」

その時だった。

唇を塞がれた。

柔らかくて生暖かい。

築山君の……唇で……。

「ん……っ!!」

叫びたくても塞がれていて叫べない。

ここに人気はない。

だがすぐに築山君の唇は離れた。

ーパチンッ。

無意識のうちに私は築山君の頬を打った。

怒りで息が荒くなり
また涙があふれる。