蜘蛛の巣にかかった蝶のようで



築山君の綺麗な瞳は


涙が溢れていた。


「……っ。水谷……。」


「……っ。」


「行かないで……。」

震えた弱い弱い声。

近寄ってくる恐怖。

「俺……おかしくなっちゃうよ?」

少し浮かべた微笑み。

「やっとやっと……水谷が俺のものになるチャンス掴めたのに……。」

「……っ。やだ……。」

近寄ってくる築山君から


逃げることは出来なかった。


ードンっ。

また

腕を強い力で掴まれたかと思うと

築山君に抱きしめられた。

「や、やだ……。幸也……!」

「呼ぶな。」

低く強い声

「あいつの名前を呼ぶな。」

「やだ、築山君、怖いよ……。」

築山君は少し私から身体を離して、私の目を見た。

「あぁ……。その怯えた顔。独り占めしたい。」

ドクンっと心臓が跳ねる。

まるで獲物を見つけた肉食動物のような表情。

「……っやだ。」

すると、築山君は綺麗な瞳を少し細めて


笑った。


「いい事……考ーえた。」