幸也の涙声に呆然とケータイを握りしめたまま喋れなくなった。
「じゃぁな……紅葉。」
ープツッ。
電話が切れた。
何が起こったんだろう。
幸也はもう私のものじゃない。
涙が止まらない。
あの……あの画像さえ無ければ……。
今日も2人で笑っていることができた?
いったい……誰が……あんなこと。
するとまた、手に握っていたケータイが光った。
……幸也……?
あわてて開くとメールが1通届いていた。
『件名 無題
ばっちりフられちゃったね。
大丈夫。僕がいるよ。』
心臓が強く脈を打った。
「……いや……。誰なの……。」
そうだ、迷惑メール設定にすれば……。
あ、でも……やり方がわからない……。
どうしようどうしようどうしよう。
「キャッ……!」
またケータイが光る。
『件名 可哀想だから……
可哀想だから今から僕の言うことを聞いたら何もしないでいてあげる。
今から誰にも言わずに君の家のそばの公園にくること。
できたら幸也とよりを戻させてあげよう。』
幸也……。
この名前に揺らいだ。
誰かに相談しようか……。いや、きっと大丈夫。ケータイ持っていけば助けだって呼べる。公園がある場所は住宅地に面している。
大丈夫。
私は言う事に従う事にした。
薄手のパーカーに袖を通す。
お母さんにバレないようにそっと玄関を出た。


