「苦しい時は誰かを頼っていいのよ。ここが一番辛いとこ。辛いことにこそ向き合う。そうすればあんたは自分が思っている以上に強くなれるはずよ。……だから!紅葉……頑張りすぎないように頑張ってね。」

お母さんは笑った。
昔から知ってるその笑顔。安心感があって落ち着いて……。気付けばお母さんの腕の中で号泣していた。よしよし、と頭をなでている手が優しくて優しくて。

「頑張れ、紅葉。」

その言葉が胸に染みて。

また気持ちが楽になった。

今日、幸也に電話しよう。ちゃんと真実と気持ち伝えよう。

そう強く思うことができた。