「理由は深くは聞かないけど、ちょっとやそっとのことであんたをフルような人はこっちから捨ててやんなさい!何があっても側にいてくれる人と結ばれなさい。」

お母さんは真面目な顔をして言った。
強く優しいその声に涙がにじんだ。

「……でもね、そんなすぐ諦めなんかきかないものよね。あんたが本当に幸也くんとよりを戻したいなら死ぬ気ですがりつきなさい。そして自分の素直な気持ちを伝える。」

素直な気持ち……。

「それをのりこえることができたら、本当に素敵なカップルになるわよね。」

乗り越える……。

そのあとにお母さんは、でもねと続けた。