私は既にまとめてあった荷物を手にした
ギュッ
「えっ…?!」
「このまま行かせっかよ。
誰がいいって言った、んなこと
お前はここにいちゃいけない存在?
誰が決めた?
お前はここにいていいんだよ
例えお前が元ー焰ーの総長だったとしてもな。
ー焰ー?それがなんだ。今のお前はー鑑ーの多々良凛だろ?
ー焰ーだったころの多々良凛じゃねー。」
グイッ
私はいつの間にか、仁の胸の中にいた
「お前はここ居ていいんだよ
俺の側から離れんな」
ギュッとさっきより、抱きしめる力が増した
「お前の過去は知らねー
でもな、過去なんか関係ねーよ。
前だけを見てりゃいいんだよ!」
ムグッ
無理やり当てられた仁の唇
どこか切なしげで
でも何だかイヤじゃないって思える私がいた