な、なんて言った?
山崎君は、一体なんて言ったの!?
あたし、とうとう耳が可笑しくなったのかもしれません……
だって、確かにクールだったけどさ。
口調は優しかったじゃん。
……うん、きっと聞き違い。
「何アホ面してんだよ」
聞き違い……なわけあるか!
つい先週に聴力検査あったばっかっりなんだよ!?
あたし、以上なかったんだから!
も、もしかしてあたし……
チラッと山崎君を見る。
「何?あんたも俺がクールで格好いい奴とでも思ってたの?」
とんでもない奴に勉強教えてもらおうとしてる……?
「お、思ってないし」
いや、クールだとはおもってたけどさ……
うん、格好いいとは思ってない。
……あれ?
思ってたっけ??
……ってそういうことじゃなくて!
あたしは、前に座る山崎君を見た。