そう思ってあたしは、本当のことを言おうと思った。
……それが間違いだったとも気づかずに……
「じ、実はほとんどわかんないです……」
「……今日のテスト、持ってる?」
「う、うん」
鞄から今日のテストを出して山崎君に渡す。
やっぱり、山崎君は優しそう!
ってか、こんなあたしに勉強教えてくれる時点で、もう常に優しい!
先生、結構いい人じゃん!
……ま、勉強は嫌だけど。
でも、山崎君ならいいよね!
いつもテスト満点だし。
その勉強法を教えてもらえるなんて……
あたしってば超ラッキー!?
パラッと山崎君がテストを見る。
その様子をあたしは期待と希望の眼差しで見ていた。
……なのに。
「……は?」
「え?」
「……桐谷さん、あんた結構バカなんだね」
「………は?」
山崎君から聞こえたのは、さっきとは違う、低い毒舌な言葉だった………。