キミがこの手を取ってくれるなら


私は検査も含めて入院することになったけど、特に異常も見られなかったため2日で退院することになった。

そのまま世間はGWに突入した。いつもは編集だ、取材だと休日返上で仕事に当たる私だけど、北原さんに「痛めた胃で、お前のコーナーが務まるか!復帰したら存分に食べてもらうから連休いっぱい休んどけ!」と一喝されたので、ありがたく休ませてもらうことにした。

そんな休日5日目、奏ちゃんから電話がきた。

「奈緒、ちょっと出られるか?」

「うん。」

体調はすっかり良くなっていたし、奏ちゃんが病室で言い残した『片付ける』の意味も、ものすごく気になっていたので、すぐに大丈夫と返事をした。

奏ちゃんは迎えに行くよ、と言ってくれたけど少しの距離なら平気だろう。

ずっと家に綴じ込もっていたので、気分転換がしたかった。


自転車をこぐ。久しぶりに頬に感じる5月の風は、少し冷たくて心地よかった。