キミがこの手を取ってくれるなら


そんな私を心配そうに見ながら「大変だと思うけど、これも勉強だから。愚痴だって言っていいんだぞ?俺だけじゃなくて、聞いてくれるヤツがいるだろうが。」


「いやいや、ともだちすくなぃですしぃ。ぐちもあんまりいいませんよぅ。」

私には心を許せる友達が少ない。
じゅんたや奏ちゃん以外で今、友達と言えるのは紫ちゃんくらいだ。「Milky Way」のみんなとは親しくしてるけど、友達って感じでもないし。

地元なのに同級生とは連絡すら取り合っていない。高校生の時に、クラスの全員に無視されてからというもの人付き合いが怖くなった。
社会人になって、だいぶ改善されてきたけど、それでも愚痴を言ったり、相談したりと言うのは苦手だった。


私が考えこんだ様子になったので、呆れたように北原さんが言った。

「幼なじみくんがいるだろうが。」

「…」

「何だ?うまくいってないのか?」

うまくいくも何も、連絡していない。
新年度というものは、どこも忙しい。
加えて教師という仕事は、また一からクラスをまとめないといけないのだ。私よりはるかに忙しいだろう。


末近いとは言え、まだ4月だ。飲みたいから付き合って、なんて呼び出す気にはなれなかった。