キミがこの手を取ってくれるなら


「ストレスたまってんなー。」

「会社で爆発させないためにも、ちょっとだけ付き合ってください。遅くならないようにしますし、愚痴も言いません。奥さんにも、すみませんって謝っといてくださいね。」

「大丈夫だよ。まだ産まれてないんだから。」

「自分が身重な時に、旦那が女性の同僚と飲み歩いてるなんていい気がしないんじゃないですか?」

北原さんはもうすぐパパになる。この夏にはお子さんが産まれる予定だ。

「そうやって気を遣うヤツが、誘うなんてよっぽどだからな。あいつも分かってるよ。気にすんな。明日は土曜日だし、俺が送ってやるから、飲め飲め。」


ううっ、優しさが沁みる…


奥さんが妊娠してから禁酒に付き合っている北原さんを誘うのは気が引けたけど、今日はどうしても一人で飲みたくなかった。


北原さんの優しい言葉もあって、私はかなりハイペースに飲んでしまい、一時間もしないうちに、かなり酔ってしまっていた。