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ついさっきまであんなに甘い雰囲気だったのに、部屋に入った私は、今じゅんたに笑われてしまっていた。
「もう!笑わないでよ」
「だってさぁ…さっきのアレで、あんだけ真っ赤になってフラフラしてたのに、部屋に入るなり『あ!ブーケお水に入れとかないと』だもんなぁ」
「だって…」
せっかく志帆さんからもらったブーケだ。さっきのキスの時だって、落とさないように頑張って耐えたんだし…このまま萎れさせるわけにはいかなかった。
洗面台の中に水を張る。これなら一晩くらいは平気だろう。
ブーケの根元に巻きついているリボンを取り、土台から花を外していると、不意に後ろからギュッと抱きしめられた。
「俺さ、お前のこういうとこも好きなんだよ。一見細くて頼りない感じなのに、流されないだろ?自分じゃ『思い込んで突っ走る性格』なんて言ってるけど、頭の中ではちゃんと考えて行動してる。一途で、いろんなことを中途半端にできなくて、一個一個きちんと片付けないと気がすまない不器用なところも」
そう言いながら、首筋にキスをしてきた。
「ちょっ…ま、まだ途中だから…あっ」
堪らずそう言いながら身体を捩ると、
「隙を見せるほうが悪いんだろ」と言いながらチュ、チュッと啄むようなキスを繰り返した。
「あっ…っ、…んっ、もうっ」
両手は、まだ水の中だ。
