ようやく唇を離されると、私はズルズルとその場に座りこみそうになった。じゅんたの肩にもたれて、かろうじて立っているけど、足はふらついて、身体に力が入らなかった。
「俺が、どれだけこの日を待ってたと思ってるんだ?このまま別々の部屋でなんか寝られるかよ」
そのまま、なぁ奈子、といつもより低い声で耳元で囁かれる。
「俺の今の気持ちはもう知ってるよな?大の男が好きな女の頭を撫でるだけで何年も我慢してきたんだ…どれだけお前のこと考えて、想ってきたか全部教えてやりたいよ」
一晩中かけてな、と付け足すと耳にそのままチュッとキスを落とされた。
甘い、甘い囁きが身体の芯に染みていくのを、はっきりと感じた。
怖い気持ちはまだ消えずに、胸の中でグルグルと渦を巻いている。全身を絡め取られそうなほど、不安な気持ちでいっぱいだけど……
でも……私は、もっと、もっとこの甘さを味わいたい。
「…教えて。じゅんたの部屋に…行きたい」
…お願い、連れて行って。やっとの思いで口にすると、ニヤリと笑いながらも今度は優しく手を掴んで引き寄せてくれた。そのまま私達はまた手を繋いで、じゅんたの部屋へと向かって行った。
