「お、お二人さん、まとまったなー。」

「まったくもう、何年かかったんだか。」


「き、北原さん…紫ちゃん……どうしてここに?!」

二人はお互いに顔を見合せて、同じようにニヤニヤ笑いながらこう言った。

「だって、新郎新婦とは、『親しい友人』ですからねー。」


ふと隣を見上げると、じゅんたまで面白くてたまんない、と言った感じでニヤニヤしている。

…知らなかったの、私だけ??

紫ちゃんが口を開いた。
「ナイショにしとかないと、奈緒子ちゃんが勇気を出せないと思ったの。」

「姫が男と手を繋いで、しあわせそうにしてる絵なんて、貴重だよなー。これを見ただけでも、ここまで来たかいがあったよ。」


私の顔は、みるみる真っ赤に染まっていった。
確かに、ここで2人が待ち受けていると知ったらとても自分から告白なんて出来なかったと思う。

しかも挙式の時に繋がれた手は、ずっとそのままで、いくら言っても離してもらえないのだ。それを見られてニヤニヤされているのだから、正直、たまらない気持ちになっていた。


「俺のカードは全部見せちゃってたから。奈子のほうから俺のとこに来てもらいたかったんだよな。」


なんて、しれっとじゅんたが口にするから、恥ずかしさが増して、しかも、二人が来ることまで秘密にされていたことも悔しくて、繋いでいた手に思いっきり爪を立ててやった。