「奏ちゃんに距離を置かれて、じゅんたとも会わなくなって、私寂しかった。だから『好きだ』って言ってくれた人と簡単に付き合ったの。…最低だよね。」
「奈子…俺も同じだよ。」とじゅんたが言った。
「奏からも奈子からも避けられてんのが分かって、心の隙間を埋めようとして、好きだって言ってくれた香織に逃げたんだ。」
「でも、じゅんたはすぐに違うって気づいたんだよね?香織さんが私の存在に嫉妬して、うまく付き合えなかった、って言ってたし、嫌いになって別れた訳じゃないのは私だけ、って。」
じゅんたが何で分かるんだ?という顔をしたので、今日ホテルを出てから小学校へ行ったことと、そこで偶然香織さんに会って話をしたことを説明した。
まだ香織さんがじゅんたのことを好きで想い続けてる、ってことは話せなかったけど、それはじゅんたは分かっているみたいだった。
ため息のように、大きく息を吐きながら、じゅんたは言葉を続けた。
「2人に代わる存在なんて無かった。香織と付き合っている間、俺はずっと苦しかったよ。香織もそうだったんだよな…お互いに傷ついただけの付き合いだったよ。奈子だって、その彼氏のこと傷つけたけど、自分だって傷ついたんだろ?」
…そうだったのかな?私達は傷つけ合ってしまったのかな?
よく分からなかった。
