「だからね、私が沖田くんとの距離を測り間違えたのがいけなかったんじゃないかと思ったの。」
それまで、黙って私の話を聞いてくれていたじゅんたが口を開いた。
「確かにそいつ、沖田、はショックだったろうけどさ、受け入れられない事は突き放してもいいんだよ。全部飲み込んでお前が一人で傷つくよりは、よっぽどましだ。」
「いつも一人で悩んできたヤツがそうやって気持ちを出しただけ、進歩だろ。よく頑張ったよ。お前は悪くないよ。」
お前は悪くないよ、と言ってもらえて涙が出そうなほど嬉しかった。
言葉が足りないから誤解されるんだよ、と前に奏ちゃんに言われたことがあったけど、私はそれからちょっとは変われたのかな…
「なぁ、奈子。」
「なあに?」
「お前がこうなった原因って何なんだ?」
私は固まった。
じゅんたは構わず言葉を続ける。
「昔のお前は、気持ちのままに突っ走ることはあっても、どっちかって言うと周りを振り回すくらいワガママだっただろ?すぐ、怒るし、拗ねるし。…でも素直だったよ。」
「この前、お前が倒れた時のことがあってから、ずっと考えてたんだ。何で奈子は心を見せてくれなくなったんだろう?何でひとりになるのをこんなに怖がってるんだろうって。」
「考えても、考えても変わったのは俺が大学入って奈子のことを見てなかった半年の間しかないんだよな。」
