仕事を早退して帰ってきたのに夜に出掛けようとした私を、母は酷く心配したけれど…
「落ち着いたら後でちゃんと話すから。お願い。今は何も聞かないで。」と言ったらそれ以上は何も言わないでくれた。
「分かった。…ちゃんと帰りは送ってもらいなさいよ。」とも言われたので、誰と会うのかは大体察してくれているのかな、と思う。
じゅんたの家に行くのは、あの4月の日以来だった。
なんとなく緊張してエイッとチャイムをならす。そんな自分にあの日と同じだな、と苦笑いしながら。
「上がれよ。」
そう言って招き入れてもらった室内は、あの日と同じくきちんと片付いていた。
「キレイにしてるんだね。」と言うと、「人が来る時くらいは片付けるよ。あんまあちこち開けんなよ。ボロが出る。」なんて言うから思わず笑ってしまった。
「はい」
コンビニの袋を差し出す。
手ぶらで来るのも申し訳なくてコンビニに寄った。食材だけ買って上がり込む女子力も勇気も私にはなかった。
「ありがとう。ここのプリンうまいよなー。…お前は1個で足りるのかよ?」なんて冗談を言いながらも、けっこう嬉しそうだったので、ほっとした。
