キミがこの手を取ってくれるなら


「純くんに用事だったら、呼ばないわって思ったけど……」

そっか、ここ、あなた達の学校だったものね、と香織さんが呟く。

「……香織さんは、どこの学区だったんですか?」と私は聞いてみた。

「東のほうよ。あっちの橋を渡って、わりと直ぐのとこ。だから、東小学校より、こっちの…西のほうが近いのよ。」

「私も、あなた達と同じ小学校がよかったわ。一緒だったら、あの時、ここまで悔しい思いをしないで済んだのかもしれないしね。……聞いてるんでしょう?」

そういえば、香織さんは奏ちゃんに『片付け』られてしまったんだっけ……

「紫ちゃんから、少しだけ聞きました。奏ちゃんが、私の為に香織さんにいろいろ話してくれて……でも、言い過ぎたみたいだ、って。」

「全くよ。高校の時はあんまり話したことなかったけど、穏やかで優しそうな人だと思ってたから、あんなに怖い人だと思わなかった。」

「紫にもさんざん怒られたから、反省はしてるのよ。…嫌なことを思い出させたみたいで悪かったわね。」

そう言って、ちょっと申し訳なさそうにしながら香織さんは、「もう会うことはない、って思ってたけど、会えるなら謝りたかった。」と言って謝ってくれた。