キミがこの手を取ってくれるなら


小学校に着いた。休み時間に入っていたのか、生徒達が遊ぶ姿が見えた。

校庭隅のベンチに腰かける。

そのままみんなが遊ぶ様子をただぼんやりと眺めていた。


「何か用なの?」


不意に声をかけられ、驚いて顔を上げる。
すぐ近くに来てるなんて……ぼんやりしていて分からなかった。

「久しぶり…ね。」

横に香織さんが立っていた。

そっか、香織さんもここの先生だった。

「お久しぶりです。どうしてここまで?」

校舎からは死角になって見えないはずだ。

「今、昼休み。生徒に誘われて、ドッジボールしてたの。そしたら、ベンチに座ってる人影が見えた。不審人物じゃないか、一応チェックしようと思ってよく見たら…あなただったのよ。びっくりしたわ」

もう昼になってたんだ…

「で、何の用?」

再び香織さんが聞く。

「特に…ただ、何となく来たいなあって思ったんです」としか答えられなかった。

心の中はぐちゃぐちゃで、まだ人に話ができる状態ではなかった。