キミがこの手を取ってくれるなら


その日はもう、仕事どころではなかった。
北原さんに「後はやっとくから、お前はもう帰れ」とそのまま帰された。

私は泣き出しそうな気持ちでいっぱいいっぱいになっていた。

また昔の出来事を思い出して不安定になってしまった。

…私は、どうして前に向かって進めないのだろう。道が見えたと思ったのに、また真っ暗になってしまったようだった。

あ、まただ。と思った。
とりとめのない不安が襲ってくる。
すぐに不安に飲み込まれてしまう。


その時、「何かあったら、いつでも電話寄越せよ!」と言ったじゅんたの顔が浮かんだ。

他のことは考えられなくなっていた。

…じゅんたに会いたい。


***

じゅんたに会いたいと思った瞬間に、自然と足が向いていた。

私達の母校で、今はじゅんたがいる小学校に。

ここまで来たって会える訳じゃないし、電話をかけたほうが早いのも分かってる。


でも、行きたいと思ったんだ。