「写真、どこに閉まったかな〜」
そう言いながら机の引き出しの中を漁る和也を横目に、とても不満そうな顔をした男が1人。
「薫、自分の写真見られたくないからってそんな不機嫌な顔しないの!」
笑いながらそう言う奈津子を、薫は無言で睨みつける。
「あ、そっか!小野寺くんと2人は同じ中学だから、小野寺くんの中学時代の写真もあるんだね!」
華代は納得したようにそう言った。
「そうそう、薫は写真が好きじゃないからほとんど写ってるの無いんだけど、昔私が不意打ちで撮ったベストショットがあるんだよね〜」
奈津子はニヤリと笑いながらそう言う。
「中学時代の、小野寺薫……」
由佳はポツリと呟いた。
薫の中学時代のことは話には聞いていたが、実際に写真を見たことは無かったので、由佳も少し見てみたいという気持ちがあった。
由佳と出会う前の、由佳の知らない昔の薫を――…。

