「それにしても薫、今年も女子から大量にチョコ貰うんだろうな〜。」

「えっ…」


奈津子の一言で、由佳の表情は一変した。


「まぁあんだけかっこいいと無理もないよねー。中学の時もすごかったし。」

「そんなにすごかったの…?」


由佳が不安げに尋ねると、奈津子は答えた。


「そりゃあすごかったよ。薫にチョコを渡す女子の行列が出来るぐらい。あんだけのチョコ、一体どうやって食べ切ったんだろ。」


奈津子の言葉に、由佳の表情がどんどん焦りの色を帯びていく。

それに追い打ちをかけるかのように、華代が口を開いた。


「小野寺くん、可愛い女の子に手作りチョコ貰って、ときめいちゃったりして〜!」


由佳の額を冷や汗が伝った。