10年後も、キミと。

ファンクラブっていっても、小学生のすることだからカワイイもので。

休み時間は常に男子に囲まれ、お揃いの文房具を持ったり、私が作ったお菓子の争奪戦があったり、ノリでチヤホヤするのが流行っていただけだと思う。


そんな、私を好きだと言ってくれる男子の中から選んだのが、芳樹くんだった。


優しくて、背が高くて、頭も良くて。

芳樹くんは、私が渡したカードの「好きな異性」の欄に、


「緒形ゆりちゃん」


って書いてくれた。